09/02/20 ユニコーン復活


 イカ天世代としては、ユニコーンが復活したのが嬉しい。
 音楽番組や特番で、新曲「WAO!」を目にしたが、いやぁいいね、いいね。
 40もとっくに過ぎたオッさんたち(といいつつ、ぼくと同世代)が、ほとんど意味のない歌詞を口ずさみながら、ニコニコと楽しそうに演奏し、相の手に「ワォ!」なんて絶叫しちゃって。
 こういうバカバカしさ、ノー天気さ、よくいえば遊び心が、なんとも堪らない。

 去年は大槻ケンヂ率いる筋肉少女隊も復活した。ライブのダイジェスト特番をみたけど、この人たちも相変わらずでGoodですね。
 なんたって「おれにカレーを食わせろ おれは辛さにこだわるんだぜぇ」と絶叫するんですよ。このご時世にいますか、そんなバンド。
 「だからどうした!」などと野暮は言いっこなしで。

 最近の若い人たちのバンドは、生真面目で器用だなという印象を持っている。
 深刻だったり「みんなありがとう」的な歌詞を、見事な歌唱と巧みな演奏で披露しているという感じ。
 まぁそういう楽曲があるのはいいのだけど、そればっかりじゃ気が詰まる。

 少々ヘタでも、演奏を楽しむ気持ちだとか、歌わず(演奏せず)にはいられないという気持ちが表に出てくるアーティストに、ぼくは惹かれる。
 最近だと、チャットモンチーの素人っぽさがいいですね。



09/02/16 プロレス観戦


 2/14日、息子と2人で、健介オフィスのホームタウンマッチを観に行く。

 健介オフィスとは、近ごろテレビのバラエティにもよく出ている、佐々木健介&北斗晶夫妻が主催するプロレス団体だ。
 健介のほかに所属レスラーが3人という小所帯ながら、世界チャンピオン(プロレスリングNOAHのGHCヘビー級と、GHCジュニアヘビー級)が2人いるのだから、侮れない。

 会場に着いたら、北斗がもぎりをしていてびっくりした。思わず「みなみ鈴香とのマリンウルフの頃から見てましたよ」と言いそうになる。(マニアックな話でスミマセン)

 ホームタウンマッチとは、道場を開放して試合を見せる興行。リングの周りにマットやイスを並べただけの、100人も入ればいっぱいのこぢんまりとしたスペースで試合を行う。
 「子ども優先」と書かれた、厚手のマットの上に息子を座らせ、ぼくはその脇にちょこんと腰掛ける。

 後楽園ホールなどとは客層がだいぶ違い、老若男女、いろいろな観客がいる。
 マニアっぽい人は少数派で、やっとお座りができる赤ん坊を連れた若い奥さんや、見た目70歳以上のおじいさんもいる。ご近所で頑張る若い人たちを応援しに集まったという感じの、アットホームなムードだ。

 さて、第一試合のタッグマッチでは、なまずを摸したコスチュームの「なまずマン」が登場。入場時に周囲を回りながら、子どもたちに「なまずせんべい」を手渡している。息子もちゃっかりもらっていた。
 なまずマンは、DDTという団体のお笑い路線のレスラーとともに、ドタバタお笑いプロレスを見せ、最後はきっちりと負け。

 第2試合では健介オフィスの若手2人が登場。ビッグマウスラウドという武闘派団体のレスラー2人と、シビアなシバキあいを繰り広げた。先輩レスラーから手洗い洗礼を受けたという感じで、キャリアで劣る健介オフィス勢がギブアップ負け。

 メインの第3試合で、GHCジュニアヘビー級チャンピオンの中島勝彦が登場。
 また20歳、キャリア5年の若き実力者。堂々とした立ち居振る舞いと、見事に出来上がった体型に目を見張る。
 噂通りの充実した試合運びで、闘龍門の若手・梶原慧を手玉に取り、横綱相撲で圧勝した。

 試合終了後に、もう一人の世界チャンプであり道場主宰者の佐々木健介が、ベルトを肩にして登場して挨拶。その後、「バレンタインデーだから」と、レスラーから観客へのお菓子投げ。息子もきのこの山をキャッチしてホクホク。

 帰りしなに、そのへんをうろうろしていたなまずマンに声を掛け、写真を撮らせてもらう。

 6歳にして初の生プロレス観戦を果たした息子は、なまずマンに抱っこして貰い、中島くんと健介には握手してもらい(ぼくもね)、お菓子のお土産までもらって、それなりに喜んでいた。

 大会場で圧倒的な声援と一体化しながら観戦するのもいいが、レスラーから飛び散る汗が届きそうなこぢんまりした会場で、ド迫力の闘いを見るのもいいものだ。



09/02/02 30分の力走(笑)


 昨日(1日)開催の守谷ハーフマラソンに参加した。
 といっても、ハーフ(約21km)ではなく、「40歳以上・5km」部門だけど。

 運動不足と肩こりを解消するために、仕事の合間や昼休み、宅配便を営業所に持ち込むときなどに、ぼちぼち走るよう心掛けている。
 ただやっぱり仕事が優先なので、忙しくなれば機会が減る。だんだん億劫になって、「この作業は急ぎだから」「寒いから」と、走らない口実を探すようになってしまう。
 これじゃいかん、ということで、走るためのモチベーションを維持するために、なにはともあれエントリーしたという次第。

 学生のころは数キロは普通に走っていたから、距離に対しての恐れはない。第一、歩いたって1時間の距離だ。日ごろは2〜3kmしか走ってないが、まあなんとかなるだろうと思っていた。

 でまあ、なんとかなりました。

 参加にあたり、第一に立てた目標が「完走すること」。
 第二目標が、「40分以内」。えらくゆるい目標だけど、少し歩くかもしれないと思って。
 結果は、完走。27分15秒。同種目に約250人エントリー中、62位。
 初参加にしては、予想以上の成績で嬉しい。よかった。



09/01/27 「おつきあい」の意味


 このあいだ、女優の志田未来がテレビに出て、中学生の恋愛事情?を語っていた。
 彼女いわく、いまやケータイでの告白が普通で、放課後に校舎裏でとか、ラブレターなんかはありえないとか。
 で、告白されたら、とりあえずいったんOKしてつきあってみる。合わないようだったらすぐ別れる。「つきあって1日で別れたりとかもありますよ」と言っていた。

 それでわかった。「つきあう」という言葉のもつ意味や重みが、ぼくと彼女たちとでは、まったく違うんだなと。

 ぼくの感覚でいえば、「告白」とは断られるリスクがある(というより高い)もの。意を決して行うもの。そのリスクを低くするため、とりあえずお友だちから始めて、機をうかがってみたり。そういう手順を踏んで、正式?に「つきあい」が始まる。

 けど彼女たちの感覚だと、「告白」も「つきあい」も、もっと軽い。
 とりあえずメールを送ればOKがもらえる。で、マクドナルドでダベるのか、手をつないで下校するのかしらんけど、まずは同じ時を過ごしてみて、違和感を覚えれば「別れ」ればいい、という感じ。

 12/8の日記に、近頃の子どもはませている、と書いた。
 ぼくらが子どもだった頃にはできなかったことを、軽々とやってのけるあたりは、たしかにませている。
 が、異性の友だちをつくるのがうまい、と考えれば、むしろうらやましい気持ちにもなる。(そのために生じる葛藤もいろいろとあるだろうけど)



 と、つらつらと考えて、改めて感じ入ったことは、ぼくらの世代と、子どもたちの世代とで、使っている言葉の意味合いの差が、想像以上に大きいことだ。

 ぼくらの世代と、ぼくらの親の世代との間でも、同様の傾向はあったと思う。
 しかし、異なる世代がたとえば同じ本を読み、同じテレビを見ることで、世代をまたいで同じ言葉に触れてきた。その言葉が意味することを考え、感じ、そうすることで生まれた感情を共有してきた。
 おそらく、世代を超えたメガヒット曲や、「窓ぎわのとっとちゃん」などのミリオンセラーが生まれたのも、そうした土壌があっての産物だろう。

 いまはどうだ。子どもはケータイ小説を読み、親は別のジャンルの本を読む。あるいはどっちも本を読まない。雑誌もマンガも嗜好が異なる。テレビも、家族がそれぞれ自分の好みの番組を見る。でなきゃ、ゲームやメールに没頭する。

 そんな具合に、オーバーラップする部分が極端に減ることで、言葉を共有することが難しくなっている。

 小中学生が「つきあった」人数を競うくらいは、まだほほえましい。
 彼・彼女らと、親世代とが、同じ言葉で語り合えず、結果的に思想・思考を共有できない、そのことのほうが、はるかに深刻だ。



09/01/19 巻き戻し


 娘が学校行事で、2泊3日のスキー合宿に出かけた。
 先週はずっと、「楽しみだ」と言い続けて、始終浮かれていた。出発前夜の土曜日などは、「楽しみで眠れそうにない」とか、夜まで友だちとメールのやりとりをしていた(細君のメルアドを共有している)。
 日曜日の朝。そんな娘を友だちと一緒に車に乗せ、娘らの浮かれまくった会話を聴きながら学校に送り届け、ぼくは帰ってもう一眠り。

 しばらくして、息子がしくしく泣きながら2階から降りてきた。娘が出かけたのに気づいて、寂しくなってしまったらしい。
 ぼくらの布団にもぐりこみ、しおらしくしていたのだが…

 そのうちに、いつもの調子に戻り、細君に乗っかってみたり、布団の上で暴れ始めた。うるさい、と叱られると、「巻き戻し、巻き戻し…」とつぶやきながら、後ろ向きで部屋から出て行き、階段を上っていく。
 そのまま静かになり、朝飯だからと起きろと声を掛ける。
 再び階段を下りてきて息子は、「巻き戻ししてたら、布団に入って、また寝ちゃったよ」だと。
 その後はお姉ちゃんショックも見せず、ふだん通りのやかましい野郎だった。

 いとおしい一面を持ちながら、切り替えも早い息子・6歳。
 なんとこの春から小学1年生。



09/01/16 幸先がいい


 この1週間に、ブックオフや大型書店のリサイクル本コーナーで、15冊ばかり買った。

●真保裕一「夢の工房」「朽ちた樹々の枝の下で」
 前者は、創作の舞台裏を描くエッセイ集。後者は、筆者が得意とするサスペンス大作。どちらも、いずれ読もうと思っていた。

●荻原浩「噂」「ハードボイルド・エッグ」
 このところ気になっている作家の1人。前者はミステリー。後者は、ハードじゃないハードボイルド・ミステリー? とか。「神様からひと言」が面白かったので、毛色の違う「噂」も読んでみたいと思っていた。

●北村薫「ターン」
 以前から読みたかった一冊。何度も同じ時間に戻ってしまう…という設定が、どんなストーリーとして展開していくのか、興味津々。

●綾辻行人「眼球奇譚」
 未体験の作家ながら、恩田陸がエッセイでこの本を絶賛していたので、興味を持って。

●吉村昭「赤い人」
 明治期に北海道の監獄に収監された囚人たちと看守たちの、命がけのドラマ。以前に書店で一度手にしながら、他にも買う本があり、戻したことがあった。今回は即決。

●江戸川乱歩「人間椅子」
 このところミステリーを読む機会が増えている。ここらで原点回帰? をしたいなと思って。

●椎名誠「ハーケンと夏みかん」
 椎名本は、日々雑記のエッセイよりも、ワンテーマのエッセイのほうが好き。この本はアウトドアがテーマというから、買うしかないでしょ。

●本田靖春「誘拐」
 1963年の吉展ちゃん誘拐事件を描いたルポルタージュ。最近、書店で平積みになっているのをよく見かける。なぜ今ごろ再注目されているのか…? と気になって。

●毎日新聞社会部編「破滅 梅川昭美の三十年」
 1979年の大阪・三菱銀行立てこもり事件を描いたルポルタージュ。小学6年生の時に起きたこの猟奇的な事件は、今も強く記憶に残っている。

●太田哲也「クラッシュ 絶望を希望に変える瞬間」
●NHK「東海村臨界事故」取材班 「朽ちていった命 被曝治療83日間の記録」
 「クラッシュ」は、レース中の事故で生死の境を彷徨ったレーシングドライバーの手記。「朽ちて…」は、1999年の東海村臨界事故での被爆者治療を描くドキュメント。

●柳田理科雄・円道祥之「空想科学論争!」
 対談形式の空想科学読本。一人語りよりバカバカしさが倍増していて、読まずにいられないです。

●渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ」(単行本)
 24時間看護が必要な難病患者とボランティアたちの姿を描くノンフィクション。わがままいっぱいの患者と、無償で支えるボランティアたちとの間には、どんな交流・葛藤があるのか…? 講談社ノンフィクション賞を受賞したころから、読みたいと思っていたが、いままでこの本を目にする機会がなかった。

 このほかに、新刊コーナーで森達也「メメント」を手にして、5分くらい迷った。読みたいが、100円本を何冊も持っている状態では、1680円の単行本が異様に高く感じる。よって今回は見送り。

 てな具合で、サスペンス、ミステリー、エッセイ、手記、ルポと、例によってジャンルはバラバラ。
 でまた、例によってお買い得品ばかり。全部で2000円ほど。

 気まぐれに行っても、気になっていた本と出会えて、しかも経済的。
 これだからリサイクル本漁りはやめられない。



09/01/08 防犯仕切り板は誰を守る?


 ……タクシーの運転席と客席との間に、防犯仕切りを設置する方針……

 FMのニュースが、そう語っていた。
 どこの地域の話か(あるいは全国か)、誰が決めたのかは、よく聞いてなかったからわからない。

 大阪でタクシー強盗が連続したのを受けての予防策だ、ということことくらいはわかる。
 タクシー運転手の身の安全を守るために、必要なこともわかる。
 が…

 タクシー業界はいま、台数が過剰となり、利益が上がらずに困っていると聞く。
 今朝の朝刊で読んだ例では、いわゆる格安タクシーのドライバーが、月給12万円だった。同業他社が倒産し、残った会社にドライバーが移ったため、いまさら会社を移ることもできない。他業種への転職も年齢的に難しく、奥さんのパートとの収入と合わせて、どうにか生活しているという。
 規制緩和以降の競争激化で、タクシー会社はそこまで追い込まれている。倒産も珍しくはない。

 そういう状況で、防犯設備を整備する費用は、どこから出てくるのか。
 利益がそちらに回し、ドライバーの賃金はますます逼迫するのではないか。

 防犯仕切り板によって、ドライバーの身の安全は確保される。
 しかし、生活の安心はますます脅かされる…。
 そうならないことを、切に願う。


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