■こんな本を読んだ −−2007年1月


◎岡留安則『編集長を出せ! 『噂の真相』クレーム対応の舞台裏』ソフトバンク新書
◎岡留安則ほか『討論外伝』インフォバーン
◎神林広恵『噂の女』幻冬舎
『編集長を出せ!』は、今はなき名物雑誌『噂の真相』の裏話(実名入り!)。意外な著名人の意外な行動の顛末に興味津々。久しぶりに岡留さんの刺激的な文章に触れ、勢いであとの二冊も読みました。神林広恵さんは元『噂の真相』編集者。

◎中山兼治『馬券偽造師』幻冬舎アウトロー文庫
馬券偽造というダークな商売をしていた、驚異的な技術をもった印刷職人の回顧録。表社会にその技術を活かす場がなかったことが、この人物の不幸だったのかも。

◎斎藤貴男『空疎な小皇帝 「石原慎太郎」という問題』ちくま文庫
石原慎太郎の尋常でない思考に関心を抱いています。それがどんなバックボーンから生じているのかを知りたくて読んでみたのですが、読み進むにつれ、なんだかくだらなくなってきて……。「本格的評伝ノンフィクションを考えていた」が、取材を進めるにつれ、「石原氏の生い立ち、個人史など、この際どうでもよくなってしまった」と、著者が編集後記で書いているとおりです。

◎きっこ『きっこの日記』白夜書房
人気ブログが単行本化!(宣伝文句より)でも掲載が見送られた内容のほうが、よほど挑発的で面白いです。まもなく第二弾(『きっこの日記2』)が出るので、そちらに期待。

◎遙洋子『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』筑摩書房
ブックオフで何となく手にして購入。おちゃらけながらも、フェミニズムとはなんぞや、がわかる(かもしれない)内容。

◎宗田理『ぼくらの七日間戦争』角川文庫
娘(小5)にどうかなと、だいぶ以前に読んだものを再読。夢中になって一気読みしました。

◎スアド著、松本百合子訳『生きながら火に焼かれて』ヴィレッジブックス
気になっていた本を文庫で見かけたので購入。前時代的で非人道的な慣習が残っている地域が、現在もあることに慄然。

◎沢木耕太郎『無名』幻冬舎文庫
著名作家が無名の実父の最期を描いています。父親と息子、また人の死に際を描いた作品に、なぜか心を引かれます。

◎恩田陸『夜のピクニック』新潮文庫
前回は未読で取り上げた一冊。心の内の描写や人物配置が実に巧い。読み進めるのがもったいない、と思った本は久しぶりです。で調子にのって、本屋大賞つながりで 小川洋子『博士の愛した数式』新潮文庫 も読みましたが、こちらはぼくにはイマイチでした。

◎山中恒『ぼくがぼくであること』角川文庫
娘が「おもしろかった」というので、借りて読みました。人物の描き方にデフォルメが過ぎるとは思いましたが、それを差し引いても胸に染みいります。『おれがあいつであいつがおれで』とともに、この作者の好きな作品にランクインしました。


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