どこで産む?1

病院と助産院、どっちがいいか

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病院で産むのか、助産院で産むのか。はたまた自宅出産か…。
実際に迷うのはつれあいでしょうが、プレ父ちゃんとしても、
どこがどう違うのかくらいは知っておきましょう。
以下、ぼくら夫婦の体験と、書物から仕入れた知識の受け売りです。
(参考文献:『子どもを産む』岩波新書、ほか)


◆おおざっぱな話

以下の人には、病院をお勧めします。
 ・出産に対して不安が大きい。
 ・万全の状態で産みたい。
 ・誰かにリードしてもらいながら産みたい。

以下の人には、助産院をお勧めします。
 ・出産に対して不安はあまりない。
 ・自分の体調管理くらいはできる。余計な検査はいらない。
 ・陣痛促進剤などは使わない、自然な分娩を望んでいる。


 そもそも、妊娠・出産というのは、病気ではありません。母体にとって、いわゆる普通の状態ではないけれども、身体の各機能が正常に働いている状態の一形態です。
 だから、かつては医者ではなく、産婆さんとか、ベテランの取り上げおばさんがリードして取り上げていたんです。特別な設備もなしで、自宅の一部屋みたいなところで産んでいました。戦後の高度成長の以前は、大半がそうして産んでいたのです。
 それが普通だったし、通常分娩であれば(逆子とか多胎児でなければ)、これといって不都合もなかったのでしょう。

 それが、核家族化が進み出産体験が伝えられなくなったこと、また一方で、ピカピカの近代設備の整った病院での出産が好まれるようになったことにより、いつのまにやら、産婦人科での定期検診、医療従事者の監視のもとでの分娩が主流になりました。

 でも、はたして、毎月細かい検査をし、投薬を受ける必要があるのか、ぼくは疑問に思っています。

 分娩時にも、陣痛の強弱を測る機械とか赤ん坊の心音をグラフ表示する機械とかをおなかにベタベタ貼って、陣痛促進剤などの薬で人工的に分娩を進め、手術台みたいな分娩台に仰向け(力を入れにくい姿勢)に寝ながら、出産しなければならない。
 これらはすべて、医者側の都合によるものです。医者にとって診やすく、手を施しやすいしくみになっているのです。けっして母体の側の都合ではありません。

 ただ、そうはいっても、各種検査で詳しい数値を知ることで、安心感はたしかに得られます。母体にトラブルがあっても、すみやかに治療を受けることができる。異常分娩にも対処してもらえます。
 あと、ぶっちゃけていって、産婦はあれこれ考えなくてもいい。担当医師と助産士の指示に従っていればいいのだから、ラクといえばラクです。産まれたあとも、看護婦さんたちが子どもの面倒を見てくれるから、お母さんは大半の時間をベッドで休んでいられます。

 医療機関での管理された出産と、日常により近い施設での自然分娩。どちらにもそれぞれの利点があります。
 その違いを知り、では自分は(つれあいは)どういう出産を望んでいるか、によって、病院か、助産院かを選択することになります。


※上で述べた「病院」とは、ごくふつうにイメージされる病院(ぼくらや知人が体験した総合病院)についての一般論です。近ごろは、とくに産婦人科専門病院では、助産院に近いシステムを採用したり、オプションを用意するなど、個性的な施設も増えていると聞きます。そういう施設についての知識はありませんので、一般論のみでご容赦ください。

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