06/4/28 ホリエモン保釈と耐震強度偽装問題で一斉逮捕

 うかつにも、与党が連休前に共謀罪を強行採決しようとしていることを、今朝まで知らなかった。
 「犯罪」に問われる可能性がある内容を口にしただけで罪になるのが共謀罪。酒の席で「上司をしばいたろか」と言えば暴行の準備。マンション建設反対運動の呼びかけをすれば威力業務妨害。そんな具合に、警察の思惑次第で逮捕される“恐れ”が十二分にありうるのが、共謀罪。
 日常生活や思想信条に重大な縛りを与える法案を、あろうことか強行採決するとまでは思っていなかった。甘かった。
 昨年9月の衆議院選挙で、政権与党に圧倒的な多数議席を与えた結果、じわじわとぼくらの首が絞めつけられている。

 それにしても、毎朝新聞にしっかり目を通しているつもりだったが、こんな大事なことに気づかないとはどうかしている。
 ここ1、2日はFMも新聞も、ホリエモン保釈のニュースばかり。その前は、耐震強度偽装問題で8人が一斉逮捕との報道が続いた。
 姉歯容疑者の名義貸しなど、本筋とは異なる微罪での逮捕(総研などの本丸へは及ばず)が、何日も前から予告され大々的に報道されたり、ホリエモンの保釈決定に検察が不服申し立てをしたとか、どうもおかしいなことが続くと思っていた。それらはつまり、共謀罪強行採決の目くらましだったのだ。
 1月18日にも書いたが、ホリエモンが痩せたとかのどうでもいいニュースによって、後々に大きな陰を落とす本当に大事なニュースが報じられないでいる。
 権力筋からリークされた情報に簡単に踊らされるマスコミなど、必要ない。むしろ存在するだけで有害だ。


06/4/19 職員会議で多数決禁止!?

 新聞記事を読んで、気分が悪くなった。
 東京都教育委員会は、「職員会議において『挙手』『採決』等の方法を用いて職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないこと」と通知した……。
 ウソだろぉ。

 東京都では、学校運営の権限が校長に集中するように指導を強めてきた。同時に、君が代・日の丸、性教育、平和教育などで踏み絵を用意し、従わない者を厳しく処分してきた。そうして教職員から物を言う口を奪い、上意下達の学校運営、教育行政を進めている。
 今回の「挙手・採決禁止」は、その総仕上げだ。
 すべての決定権は校長にあり。「挙手」や「採決」(すなわち多数決)による異論は認めない。そう宣言したに等しい。

 教育とは、そういうものなのか。
 自ら考え、意見を述べ、他人の意見を汲み取って考えを深め、そして行動する。その積み重ねで、人は生きていく力を養っていく。そんな成長を促していくために、知識と知恵を伝授していくのが、教育だと考える。
 今回の通知によって、教育の場である学校(都立校)は、上意下達で一方的に運営されるようになる。教育現場にあるまじき矛盾だ。
 教職員はノーを言えず、校長の決定に従うことを強要される。これでは教職員の意欲は低下する。それが健全な学校運営につながるのか。子どもたちの成長にプラスになるのか

 多くの教職員の意見を仰ぎたい良心的な校長にとっても、この方針は酷なものだ。全国には、教職員と教育委員会の狭間で板挟みになり、苦しんで自殺した校長もいる。
 そういう被害者を続発させる圧力が、「挙手・採決禁止」にはある。

 現天皇に「日本中の学校に国旗・国歌を定着させるのが私の仕事」と職権を超えた発言をし、「強制は望ましくない」とたしなめられた人物が、いまだ委員長職務代理者なる要職を勤めている。
 このままでは暴挙は繰り返される。東京の教育は衰滅する。


06/4/5 児童投殺容疑者と誤認逮捕

 神奈川県川崎市のマンションの15階から女性を投げ落とそうとした容疑で、41歳の男が逮捕された。直前に、同じマンションで小学3年生の男の子が転落死しており、これも同じ容疑者の仕業とされている。

 容疑者逮捕前の報道で、防犯カメラに写っていた容疑者の特徴として、「身長160cmくらい、やせ型、眼鏡」と言われていた。この特徴は、実はぼくに合致している。年齢もほぼ同世代だった。
 はじめは「似たようなやつもいるんだな」と他人事に思っていたが、じわじわと、怖いな……という気持ちが湧いてきた。

 ぼくの地元で昨年12月、痴漢の容疑で誤認逮捕され、2週間にわたり身柄を拘束、厳しい取り調べを受けた男子大学生がいる。
 彼に対する警察の態度は凄まじいもので、調べればすぐに明らかになるアリバイがあるにもかかわらず、何が何でも犯人にしたいという意志があからさまだった。(詳しくは「守谷駅痴漢冤罪事件の記録」http://enzai.xrea.jp を参照)
 彼が逮捕された理由は、痴漢被害者と一緒にいた女子学生の目撃証言だったという。実際にはまったくの勘違いと思いこみだったこの証言が唯一の証拠であり、警察はこの証言に基づき、事件とは無関係の人物を罪人に仕立て上げようとしたのだった。

 警察の捜査力が疑わしい。警察組織では裏金づくり、不正が疑われる天下り、警察官の犯罪など、不祥事が相次いでいる。ビラまきをした人を逮捕するような政治的な動きもあからさまになっている。
 そんな状況であればこそ、防犯カメラに写った人物と似た風体をしているからとして、犯人逮捕に焦る警察によってぼく自身が誤認逮捕される可能性もありえたではないか。
 いま現在は遠方に住んでいるが、2年前までは川崎に隣接する東京西部に住んでいた。そう考えると、ますますゾッとする。

 警察の堕落もさることながら、乏しい根拠で犯人と決めつけた先の女子学生のように、“他人を疑う”ことがまかり通っていることが、空恐ろしい。
 見慣れない人物を見かけると、それだけで不審の目を向ける。たとえ顔なじみの相手であっても、決して心を許さない。そんな疑心暗鬼の風潮が、徐々に世の中を覆いつつある。

うえへもどる▲

inserted by FC2 system