08/12/29 希望を持ちたい


 新卒者の内定取り消しって、非道いよなぁ。
 就職先が決まり、あとは無事卒業を残すのみ。さあこれから、というところで、一方的な採用取り消しの通告だもんな。

 「景気悪化で経営が苦しい」というのは、内定を取り消して良いことの理由にならない、という判例があるそうだ(参考・12/28付け「毎日新聞」)。
 そもそも、雇われる側にとっては将来展望にかかわる大事な約束を、短期的な経営状況を理由に反故にするなんて、判例を持ち出す以前に、無責任でないか。
 まぁ、人を雇うという重要な経営判断を誤るような会社に、身を委ねなくてよかったじゃないか、といえないこともないけれど……。

 派遣労働者の一方的解雇、新卒者の内定取り消し、中高年のリストラ…。企業は人材を使い捨てにしている。
 使い捨てられた労働者は、どうにか生活していくのにいっぱいいっぱい。消費が冷え込むのは当然で、そんな状態では市場が回復する見通しなどない。
 なのに政治は無策、政治家は無能ときた。
 先行きの展望がみえないまま、2008年が暮れようとしている。

 イスラエルは再びガザ地区の空爆を始めた。昨日までで、300人近くが死亡し、負傷者は数百人に上るという。
 ガザの住民は、イスラエルによる経済封鎖で医療品が不足し、ケガをしても治療ができない。それ以前に生活物資が不足していて、飢餓に苦しんでいるともいう。
 為すすべもなく追い詰められた人々は、やぶれかぶれで手作りミサイルを打ち込み、爆弾を抱えて人混みに向かう。そうした「テロ」攻撃を口実として、イスラエルはさらに爆弾の雨を降らせる…

 人々を絶望の淵に追い込み、絶望を口実にさらに追い込んでいくというイスラエルのやり方に、激しい怒りを覚える。
 憎悪は憎悪を生む。絶望は捨て身につながる。捨て身の攻撃を受けたくなければ、イスラエルは自らを改めなければいけないのだ。

 瞬時に命を奪われるパレスチナ住民よりはマシとはいえ、いまの日本人も危ういところに追い込まれつつある。
 仕事がない、生活費が足りない、生活が成り立たない。ことに、未来の日本を担う若年労働者が、将来を見通せない、希望をもてないというのは、かなり危険な状況でないか。

 秋葉原の通り魔事件を筆頭に、10歳代・20歳代の無差別殺人事件が続発した。これは危ない兆候とはいえないだろうか。

 先行きの不透明さ、不安の増大を放置すれば、いずれ絶望へと変わる恐れもある。
 そうなったときに、社会はどうなるのか。人々はどう変質するのか。

 2009年は、いや21世紀は、もっと人を大事にし、未来を大事にする時代としたい。
 希望がもてる社会をと望みつつ…
 みなさん良いお年をお迎えください。



08/12/11 息子の役は…


 幼稚園の生活発表会(いわゆる学芸会)を見てきた。
 年少・年中は合唱と簡単な劇(「大きなカブ」とか)だが、年長ともなると、合奏、手話付きの合唱、それに劇と、けっこう出番が多い。3・4歳児と5・6歳児とでは、できることが結構違うものだ。

 息子の組の出し物は「かさこじぞう」。貧乏だが人がよいおじいさんが、手に入れたばかりの笠を地蔵さんに被せてやったら、地蔵さんがお礼に野菜やら何やらを届けてくれた、という昔話だ。
 配役は、おじいさん、孫娘、屋根裏のネズミ、地蔵、ナレーターなど。
 息子の役はというと……チーター。

 おじいさんが薪を売りに行き、笠を手に入れるときに、お供をする動物がいるといいんじゃないかということで、名乗りを上げたんだかなんだか知らないが、息子がその役になった。先生としては、クマとかキツネとかを想定していたらしい。
 で、先生が息子に、「なんの動物にする?」と尋ね、息子は「チーターがいい」といったのだとか。ちなみに、お供の動物はもう一人(一頭)いて、こちらは、ゾウ。

 てなわけでおじいさんは、正月の食べ物を手に入れるために、チーターとゾウを引き連れて、薪を売りに出かけましたとさ。

 違和感丸出しの配役にもかかわらず、息子たちの申し出を受け止めて、わざわざ衣装まで用意してくれた幼稚園の、懐の広さというか、ゆるゆる加減が、うちの息子にぴったりなのだった。



08/12/08 大丈夫!?


 息子がサンタさんにお手紙を書いた。
 クリスマスプレゼントのおねだりなわけだが、
 そのお手紙の宛名が

  さんたせん!

 となっている。しかも差出人は、

  のぞみすい

 としか読めない(「より」がうまく書けなかった)。

 このお手紙、きちんとサンタさんに届くのか。
 彼はプレゼントを手にすることができるのか!?



08/12/08 おませさん


 娘(中1)の友だちたちは、「どんなふうに(ケータイとか、面と向かってとか)告白されたことがあるか」やら、誰それとつきあっているとかいないとか、そんな話をけっこうしているらしい。
 娘の幼なじみ(都内在住)が通っていた小学校では、6年生ともなると、男の子と女の子が2人して一緒に帰るのが普通だったそう。彼氏(彼女)未満・友だち以上のそういう相手がいないと、焦ったり悩んだりしていたらしい。
 まったく近頃のガキどもは、ませている。

 自分が中学生のころを思い返すと、たしかに好きな子は常にいた。
 でもそう思う気持ちと、告白するという行動までに大きな壁があり、けっきょく悶々とした日々を過ごすのみ。
 仮にすべての勇気を振り絞って告白し、OKをもらったとしても、その後にじゃぁ2人でどんなことをしたいの?なんてイメージはまったくなかった。
 大人になるまで、ほぼそんな具合で、思い返すのも恥ずかしいようなことを繰り返してきた。

 まぁ自分はそういうしょうもない青春時代(!)を過ごしてきた野郎だから、今の娘らの世代の心の内が理解できないのも、やむを得ないと思っている。

 それにしても……小学生だか中学生が、ケータイメールで告白って、どんなもんなんですかね。



08/12/01 ゴミを捨てるなよ


 ディズニーランドが開園した当初に、不快になった宣伝があった。
 曖昧な記憶なのだけど、たしか「園内ではゴミは足下に捨ててください」というものだった。

 ほうきとちりとりをもった職員がすぐに回収するから、問題ない、ということだ。
 ゴミ一つ、チリ一つ落ちていない、ファンタジーの世界を目指すディズニーランドとしては、それを具現化する方針の一つなのだろう。
 でも、「すぐに掃除する」ことをアピールするために、ゴミを所構わず捨てていいよなど宣伝するのは、あまりにもアンモラルではないか。

 ゴミはゴミ箱に捨てる。ゴミ箱が無ければ持ち帰る。
 これが当然であり、多くの人がいる社会の中で気持ちよく生きるための心がけじゃないか。

 なんてことを、昨日のクリーン作戦(自治会主導で行う地域のゴミ拾い)をしながら、改めて思った。

 公園に、道ばたに、空き地の雑草の中に、菓子の空き袋、ジュースのボトル、カップ麺の器が、投げ捨ててある。
 子どもの仕業だ。ご近所の奥さん方は、主に誰がやっているかを知っている(何度も目撃されて、注意もされているが改まらない)。親だけが、自分の子どもの行為を知らない。

 概して大人だって、ロクなことはしていない。タバコの吸い殻の投げ捨てから、ゴミ捨て場のルール無視、不要家具の不法投棄など、目に余る行為をして恥じない者も多い。

 他の人に不快感を与えず、ってことは自分も不快にならずに生きていくために、守らなければいけないルールやモラルは、ある。
 そんなことすら、子ども世代に伝えられない大人がいるとは、なんとも恥ずかしいことだ。



08/11/11 いまさらながら、オバマさん勝利宣言


 オバマさんが次期大統領に当選した勝利演説の日本語訳を読んだ。
 この人はすごいね。やっぱりただ者じゃないですわ。

 以下、おおっっっと感じた部分を抜粋。

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 「老いも若きも、金持ちも貧乏人も、そろって答えました。民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア人もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も障害のない人たちも。アメリカ人はみんなして、答えを出しました」

 「今夜ここにこうして立つ今も、私たちは知っています。イラクの砂漠でいま目覚めようとする勇敢なアメリカ人たちがいることを。アフガニスタンの山岳で目覚めるアメリカ人たちがいることを。彼らが、私たちのために命を危険をさらしていることを。
  子供たちが眠ったあと、自分たちはまんじりともせず、どうやって住宅ローンを払ったらいいのか、病院の請求書をどう払ったらいいのか、子供の大学進学費をどうやって貯めたらいいのか、眠れずに途方にくれている母親や父親があちこちにたくさんいることを」

 「これから先、挫折もあればフライングもあるでしょう。私がこれから大統領として下す全ての決定やすべての政策に賛成できない人は、たくさんいるでしょう。そして政府がすべての問題を解決できるわけではないと、私たちは承知しています。
  けれども私たちがどういう挑戦に直面しているのか、私はいつも必ずみなさんに正直に話します。私は必ず、皆さんの声に耳を傾けます。意見が食い違うときは、特にじっくりと」

 「そして私がまだ支持を得られていない皆さん(注・共和党支持者)にも申し上げたい。今夜は皆さんの票を得られなかったかもしれませんが、私には、皆さんの声も聞こえています。私は、皆さんの助けが必要なのです。私はみなさんの大統領にも、なるつもりです」

 ※以上、引用元:gooニュース
 「「アメリカに変化がやってきた」オバマ次期米大統領の勝利演説・全文翻訳<特集・米大統領選>」2008年11月5日(水)20:57
 http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-05.html

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 ボランティア出身だけあって、少数者への視線がしっかりしている。
 なにしろ「ゲイもストレートも」ですよ。
 でまた「眠れずに途方にくれている母親や父親」の苦悩の、なんとリアルなことか。

 加えて、非支持者に対しても「私は必ず、皆さんの声に耳を傾けます。意見が食い違うときは、特にじっくりと」「私には、皆さんの声も聞こえています」「みなさんの大統領にも、なるつもりです」と明言する。
 思想の異なる人たちを切って捨てるという発想はないようだ。

 まったくもって、器がでかい。マンガを読んで若者の街で演説すれば「庶民派だ」と勘違いしている、どこぞの国の首相とは、器が違いますわ。

 ブッシュ政権の8年間が非道すぎたということも(そのブッシュを選んだのも同じアメリカ人)、マケイン陣営がしょーもなかったということも、あるだろうけど、オバマさんはやはり、選ばれるべくして選ばれたと感じる。

 この先、勝利宣言を実践し、国際社会の中で変わらず誠実でいてくれることを期待したい。



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